第1話からはこちらから

• 第1話 出会いは突然に
• 第2話 試練と邂逅
• 第3話 上浦トライアスロン2016
• 第4話 ITUトライアスロンワールドカップ宮崎2016
• 第5話 とみくじマラソン2016
• 第6話 孤独と恐怖と戦った日々（12月〜5月）
• 第7話 装備&補給食を爆買い
• 第8話 上陸、福江島
• 第9話 スイムスタート-うねりに苦しむ
• 第10話 バイクパート前半-ボトルキャッチにまごつく
• 第11話 バイクパート後半-楽しみにしていたはずの136km地点
• 第12話 ランパート前半-かんころ餅トラップ
• 第13話 そしてバラモンキングになる

 

 

ITU宮崎を完走して、バラモンキングへの出場資格を得られてホッと一息。と行きたいところですが、自分自身に課していた課題がもう一つありました。

本番のバラモンキングはスイム3.8km、バイク180kmを走って泳いだあとに“ラン42km”があります。

でも僕はこの時点で人生最長走行距離が10km。

本番までにフルマラソンを経験しておかなければいけない！と考えていました。

そうこう考えている時に見つけたのが大分県国東市で毎年11月にある“とみくじマラソン”。

比較的ローカルなレースなので、エントリーも遅くまで受け付けています。僕はITU宮崎の前、確か9月頃にエントリーしました。

これしかない！これを歩かずに走り切るくらいじゃないとバラモンキングなんて完走できるかっ！

かくして僕の初フルマラソンへの挑戦が始まりました。

 

とにかく練習

ITU宮崎が10月30日に終わって、とみくじマラソンが11月20日。

3週間しか無いですが、10kmしか連続で走ったことがない僕はとにかく付け焼き刃でも練習あるのみです。

でも仕事も忙しく、走れるのは夜11時以降。

21km走ってみたり、忙しい時は10kmだけとかでトレーニングを積みました。

真っ暗な田舎道の往復3kmをひたすら走る。

ものすごい孤独だったのと夜中なので怖かったです；；

なんとか気力を振り絞りつつ、本番までの3週間で110kmくらいを走り込んで望みました。

 

初フルマラソンなのに。。。

とみくじマラソン、むっちゃ登ります。

最高到達点は大体180m。獲得標高は約400m。

初マラソンにしてはかなりきついコースです。

参加者は1000名くらい。混雑とかはほぼ無いです。

10km以降に登りが始まって、24km付近までちょい下る以外はほぼ登りです。

僕は24ｋｍまで我慢して、それ以降は下りを活かして飛ばそう！などと呑気に考えていました。

 

スタート

まあ案の定、ここでも緊張します。

まわり速そうなランナーばかりです。

スタートの音が鳴ってからは切り替えて、こんなところでめげてたらバラモンキングに出る資格ない！と思い42kmの長旅に出発です。

10kmまでの平坦区間は練習の成果か、予想以上に楽に走れました。

目標タイムは5時間ですが、このままだと4時間半くらいで行けるんじゃ?とも。

が、とみくじマラソンはそんなに甘くありませんでした。。。

 

10km〜24km

いよいよ登りの始まりです。

くっ、、キツイ、、これが14kmも、、と思い、ペースを落として歩かなければいいやと思いながら進みます。

歩かない。どんなにゆっくりでも走り続ける。

これがこのレースで自分に課した試練です。

登る、登る、たまに下る。20kmまではなんとか進みつつ、それ以降は残り登り4kmと思ってなんとか歩かずに走りきれました！

24km付近で折返しのコーンが立っていて、それが見えた時は本当に嬉しかったです！

ここからは下りです！あとは下るだけで楽勝じゃん！と思った僕。

本当の地獄はここからなんです。。。

 

24km〜37km

下りに入り快調に飛ばしていきます。このままだと4時間半でゴールできるな！などとこの後のことも知らずに呑気に。

そして27km地点まで来たところ、突然それは訪れました。。。

脚が、、、泣いてる！！！！

不思議な感覚だったんですが、脚がシブいというか、ギシギシいっているというか、なんというか全力で走るのを拒否しています（汗

走りたくない、走りたくない、走りたくない、でも歩いちゃ駄目だ。。。

なんとか気力を振り絞ってゆっくり、歩くのとそう変わらない速度で走ります。

でもそんな状態で残り15kmを走り切ることを考えると絶望していました。。

んあ、、、んあ、、、もう無理ぽ。。。

30km地点、歩いちゃいました。。汗

そこからはもう、堰を切ったように歩き通し。。たまに止まってストレッチまでしてました。じゃないと歩くこともキツかったんです。

もう完走できればなんでもいい。とにかくこの地獄を早く終えたい。。

泣きそうでした。。

そもそもなんでこんなキツイことしてるんだろう。。と物凄く弱気で進んでいました。

自分の中では凄い長い時間に感じました。

 

37km〜42.195km

そうこうしていると37km地点。残り5km。

速い人はとっくにゴールして帰りだしているんですが、そんな中の一人の年配の男性が

「頑張れ、頑張れ。」

と声をかけてくれました。

この何気ない頑張れ。物凄く温かい言い方で、それが僕の中にスーッと入ってきて、、

なんか走れる気がする！！！ありがとうございます！！

そこからは嘘のように復活して走り出しました。

もちろん走りはじめのようなスピードは出ません。でも周りも歩いている人がほとんどだったんで、相当早く感じながら、それがまた自分の気持を押し上げてどんどんペースが上がります。

41kmは6分台まで回復して走れていました。

そして長い長い、本当に長くてこのまま終わらないんじゃないかと思ったゴールが近づいてきます。

沿道の人もだんだん増えてきます。

そしてゴールの競技場。やっと、やっとここまで。のこりあと数百メートル。

その時、家族が応援してくれているのが見えました。

もう駄目です。涙腺崩壊です。

「ババがえっでぎだじょーー！！」

本当に長くて長くて長くて辛かったフルマラソンのゴールです！！！

フィニッシュタイム 5時間20分39秒。

 

ゴールのあと

ゴールテープを切って、改めて家族のもとに行って、そこで完全に力尽きました。

よつんばえで突っ伏したまま、改めて号泣です；；；；

キツかった、けどあんなに泣いたの本当に久しぶりでした。

走っている時は何百回も止めたい、帰りたい、と考えたけど、完走できて本当に良かった。

マラソン走る人の気持ちなんて全く理解できなくて、変態とすら思ってた僕ですが、この時に気持がわかりました。

この喜びを感じるために走ってるんだなと。

ともあれ、途中で歩いちゃいましたけど自分の中では頑張ったので良しとして（汗）、フルマラソン完走です！！