2023.06.27 / デザイン
今年でデザイナーという職に就いて22年目です。
まだ新人の頃は「もっと経験を積めばこんなにデザインに悩むこと無くなるんだろうな」と思っていましたが、いまだに毎日デザインに頭を悩ませています(汗
この苦しみは同業者の方でしたら分かると思うのですが、世界が終わるんじゃないかくらい悩むこともしばしばです。
ですがそれだけ長い期間、毎日デザインに向き合ってきた経験として、いくつか悩んだときの脱出パターンを身に着けました。
今日はそれをご紹介したいと思います。
悩んでいる時は「まだこの案件に対しての理解が浅い」ことが多いです。
その状態でデザインだけ選考してアレコレと思案しても、結局は「その案件に対してズレている」ことを本能では理解しているので「なんとなくコレじゃない」と思って悩み続けます。
デザイナーには本能型が多いですが、そういう人にとってこの「なんとなく違う」という感覚は大体の場合正しいです。
その場合、様々な情報を一旦頭に入れ、案件に対しての理解を深めると自然とデザインが思い浮かんできます。
僕的には「狙うべき方向が絞れた」ような感覚と考えています。
お客様との打合せ時、ともするとその案件の話が来た瞬間に「こんなデザインが良いな!」と大体当たりを付けていることがあります。
それが正しい時は全く問題がないのですが「実際作ってみたらなんか違う。。」となり、そこから悩むことがあります。
その場合、最初にイメージしていたデザインが固着してしまっているので、思い切って全てをリセット、ゼロにすることでその状態から抜け出せます。
でもこのリセット、口にするのは簡単ですが、結構覚悟が必要です。
実際作ってみてなんか違う。。と感じたのだったら、その作った時間が全て無駄になるからです。
「せっかく作ったのに。。」と思ってしまいがちですが、それでもゼロベースで作り直すことでこそ、良いデザインが生まれます。
僕は無駄と思わずに「必要な時間だった」と思うことにしています。
悩んでイメージも湧かない場合は、とりあえず手を動かす(作り始める)ことも有効です。
(作ったものを上記②のようにリセットすることを前提にですが)
僕が経験の浅かった頃は「しっかりと頭の中にイメージして、ラフを描いてからようやく手を動かす」ことが良いとされていました。
もちろんそれが理想ですが、イメージすら湧かない場合はいつまで経ってもそこから動けないままです。
だったらとりあえず作り始めて、PC上であれこれと試行錯誤するのはイメージを探る上で全然ありだと思います。
①に近いのですが、とにかく情報を詰め込めるだけ詰め込み、ある程度当たりを付けたらその日は諦めてもう寝てしまうことです。
人間は寝ている間に夢を見て、その日の情報を整理していると言われていますが、僕の場合も朝起きたら「このイメージで制作しよう」とデザインを思いついていたことがあります。
寝なくても、他の仕事をしてみたりして、そのデザインから意識を外しているとふと思いつくこともあります。
時間がない場合は出来ないですが、とても有効な方法です。
お客様が想像するデザインと、自分が良いと思うデザインが違うことで悩み、その折衷案を作ろうとして結局だめで悩むことがあります。
その場合は「自分が良いと思うデザインを信じて一旦作る」ことが良いと思います。
でもそうするとお客様に「コレじゃない」と言われたらどうしよう、、と悩みながら制作することになってしまいます。
解決策として「お客様が望むデザイン」と「自分が良いと思うデザイン」の2案作成しましょう。
お客様の意見を尊重するのは当たり前です。その一方で、自分たちはデザインのプロなわけです。
プロとしての意見・案を出すことは全然失礼には当たりません。
でもお客様の意見・意向を全く無視するのは違うと思うので2案作成し、決定権はお客様にあるので選んでもらいましょう。
すべての場合で「自分が良いと思うデザイン」が採用されるわけではないですが、落ちたとしても納得がいくと思います。
以上、悩んだときの脱出方法5つでした。
この他にもデザイナーあるあるで「ラフを描く」という人も多いと思うのですが、僕はあまりラフを描かないので含めませんでした。
僕がラフを描く時はデザインではなく、レイアウトに悩んでいるときだけです。
その理由も近いうちにブログに書きたいと思っています。