2019.02.06 / 水草水槽
去年の11月にセットした水草水槽。
約3ヶ月を経て、そろそろ見頃を迎えました。
イメージ通りに。というか、想像よりもいい仕上がりです。
よくこんなのどうやって作っているのかと聞かれます。
当然、何も考えずに水草を植えただけでは枯れる、というか溶けてしまいます。
流木に付いているのは南米ウィローモスという、水中ゴケの一種ですが、それも流木から勝手に生えてくるわけではありません。
レイアウトも考えて配置しなければなんとも言えない残念な感じになります。
そもそも水草水槽(ネイチャーアクアリウム)は、『水槽の中に自然の水景を再現する』という概念です。
最近はより発展してきて、水景を再現というよりかは『自然の水景感がありながらも誰も見たことのない水景を創造する』という風に変わってきています。
世界大会もあるくらいで、世界のトップレイアウター(水草水槽の世界大会上位常連の人のこと)は、まるでファンタジー映画やゲームの世界のようなとんでもない世界観を水槽内に創造します。
そんなレベルでなくても、ある程度のクオリティの水景を作ろうと思うと素人からすればアホらしくなるくらいの手間がかかっています。
かなりざっくりとですが、事務所水槽のセットからの遷移をご紹介します。
今回は流木を使ったレイアウトにしたかったので、空の水槽に流木を配置して検討します。
経験上、ここである程度の完成形を描けていないと残念な水槽になります。
というのはソイル(土)を入れて水草を植えてしまうと、大幅なレイアウト変更が難しくなるんです。
この工程はかなり大切です。
一番地味な作業です。
ウィローモスは水槽屋さんなら置いているところが多いです。購入した時は4cmくらいの葉っぱの束なので、それをみじん切り(5mm程度)に切り刻みます。
切ったところから新芽が展開するのでみじん切りにしても大丈夫です。
それを今度は流木のモスを茂らせたい部分に置いて、木綿の糸で巻いていきます。
この作業がひたすら地味で地獄です(汗
慣れないと発狂しそうになります。。ちなみに木綿糸は水の中では1〜2ヶ月で溶けるので目立たなくなります。
モス巻き専用の木綿糸が売っているので、出来ればそれを使ったほうが良いと思います。
ソイルという水草水槽専用の、粒状の土を入れて土台となる地面を作ります。ソイルの盛り方によってもレイアウトに変化が生まれるのでかなり重要です。
僕はソイルをもったあとに細かい調整はペンキ用のハケで整えたりしています。
次にその他水草の植栽です。緑の絨毯にしたいので、等間隔で満遍なく植栽していきます。
上の写真ではスカスカに見えますが、植物が成長したらどんどん緑の面積が増えていきます。
水槽全体がかなり湿るまで霧吹きをし、中の水気が逃げないようにラップをして放置します。
これはミスト式という水草育成法です。
植栽後にすぐ注水しても十分育ちますが、十分に水草が育つまでは水槽内の栄養素が過剰になって苔が出やすいんです。
それを回避するために、水気は十分な状態でラップをし、水草がある程度まで育つのを待ちます。
ミスト式のその他のメリットは、例えば今回の水景のようにソイルを盛ってレイアウトした場合、すぐに注水すると盛った部分が崩れやすいです。でも水草が十分に成長して表面を覆うことで崩れなくなります。
その他、植物なので当然光がないと光合成できずに成長どころか枯れます。
僕は水槽用の照明をタイマーで管理していて、10時点灯〜18時消灯にしています。タイマー管理なので本当にこの時期は放置です。
たまに成長具合を見る程度です。
そんなこんなで水草が十分に成長したらやっと注水です。上の写真くらいまで育っていたらもう崩れる心配も無いでしょう。
ここから水中管理に入りますが、植物の成長に絶対必要なものがもう一つ。二酸化炭素です。
これも水槽屋さんにCo2ボンベが売っているのでそれを買って添付しています。照明点灯時間と同じ時間添付するのでタイマー管理です。
光がないときに添付しても意味がないのと、二酸化炭素が多くなりすぎるとお魚が死んでしまうからです。
夜は昼とは逆に酸素を送り込みます。これもお魚のためもありますが、水槽中のバクテリアの繁殖のためです。
水草水槽においてバクテリアはとても大切な要素で、魚が出したアンモニアなどの老廃物を比較的無害な亜硝酸塩に分解してくれます。
なんのこっちゃな感じですが、、これが見た目的にも案外大切なんです。バクテリアが十分に繁殖した水槽は水がピカピカしています。
そもそも透明じゃんって感じですが、本当に水が輝いてるんです(笑
言葉じゃこれは伝わりません。。いつか見てください。
水景ほぼ完成です。
ほぼというのは、水草なので日々成長しているからです。
これから成長具合によってまた違う感じに変化します。
1度立ち上げてしまうと大体半年〜1年は週1回程度の水換えで維持していけます。
水換えも良い気分転換になります。なんか落ち着くんです。
もし興味があれば水草水槽してみてください。
下記のサイトが参考になります。
●京都精華大学水槽学部さん
http://seikasuisoubu.jugem.jp/
●GRASS DESIGNさん
https://www.grass-design.info/
●キューブさん
http://qube-aquarium.com/
ラン・・・10km(残り190km)
疲労感が凄いです。。怪我し無いように気をつけながら頑張ります!