2019.04.12 / デザイン
2024年から発行される新紙幣デザインが発表されましたね。
新元号の発表と同時期なのはたまたまらしいですが、両方共新時代を感じさせるので良かったように思います。
そして新紙幣のデザイン、賛否両論あるようですが、僕はかなり好きです。
そもそも日本の歴代の紙幣デザインは他国のデザインに比べて繊細さと重厚感が同居しているようなデザインでとても好きでした。
この縦のデザイン、ユーロやカナダなどの紙幣も同じような縦のホログラム調のデザインが入っています。
なんとなく欧米っぽくて好きです。
五千円札の肖像画は津田梅子さん。無学な僕は知りませんでしたが、日本における女子教育の先駆者と評価されているそうです。肖像が女性ということで、紫基調の色に、裏面には藤の花、細かいあしらいまでどこか女性らしさを感じさせるデザインになっていていいなと思いました。
ここ数年、海外からの旅行客も増えて、更にこれから外国人労働者もますます増えていきます。
そういった事情から、アラビア数字がメインになるのは必然かと思いました。
デザイン的には原稿紙幣のアラビア数字書体ではなくサンセリフ体なのが意外でしたが、新時代感という意味では良いのかなと思っています。
但し、、、一点疑問が、、なぜか長体がかかっていますが、、この長体必要だったんでしょうか?僕もわざと長体かけることがありますが、この場合は正体のほうが良かった気が。。でも僕の考えの至らない事情があるんだと思います。
千円札裏面の富嶽三十六景の存在感ったらまじかっこいいという感想しか浮かんできません。
五千円札も一万円札も両方共北斎の浮世絵で統一してほしかったくらいです。
まじかっこいい、それしか言えません。
この紙幣デザイン、数十年に一度変更する理由の大部分は偽造防止のためです。
そのために様々な最新技術・技法が注ぎ込まれているので、それも考慮しつつ、かつ繊細さと重厚感が同居しているようなデザインを作成するのは死ぬほど大変だったろうなと思います。(デザイン制作過程や体制など全く知りませんが。)
他の国の紙幣も同様ですが、紙幣デザインは大体が繊細さや重厚感、簡単に言うと『紙幣=とても大切なもの』ということをデザインで表現しなければいけません。
これが安っぽいデザインだと、お金の威厳が無くなる→価値が低くなる→経済が低迷するというようなことも大げさに言えばあるかもしれません。
僕は経済や景気はなんだかんだ言って『世間の空気感や人々の感情』で動いていると思うので、これは案外大切なことだと思います。
でもこれは紙幣デザインだけではなくて、その他のデザインにも言えることです。
デザインには
①良いものの魅力を後押しする力
と、逆に
②良くないものをデザインで飾り付けてだます力
があります。
②のようなデザインはしてはいけませんが、それくらいの力がデザインにはあります。
なぜそれが通用するかというと、選ぶ側は見た目や質感などからそれを手に入れて自分にどんなメリットがあるかを『直感的に判断』している場合がほとんどだからです。
世界も経済も自分の周りも、全部空気感や感情で動いている、僕がデザインの基本に置いていることの一つです。