CONDENSE LOG

デザイン事務所CONDENSEのブログです

サイトに戻る→

残り900mで最大のピンチからのFINISH|2019バラモンキング完走記 第8話

2019.07.01 / トライアスロン

第1話からはこちらから

 

すぐに秘密兵器①を投入

残り10.5km。いよいよ温存してきた秘密兵器を投入していきます。

秘密兵器①はMUSIC。

イヤホンを取り出して音楽を聞きながら走り始めます。

やっぱり音楽のチカラは凄いです。さっきまで息も絶え絶えだったのに少しづつテンションが上ってきて走れます。

といってもキロ7分後半ですが、十分です。

このまま行けるところまで行ってやる!と気持ちよく進んでいきます。

 

残り7kmで秘密兵器②を投入

残り7km。ここで秘密兵器②「梅丹本舗 サイクルチャージ ゴールド」投入です!!

これにはカフェインが200mg配合されています。

つまり音楽で上がったテンションを更に爆上げして身体の疲労を誤魔化します!

これを投入でキロ7分台中盤で進むことができました。

唯一の副作用はテンション爆上げしすぎてまだFINISHしていないのに涙が出てくること。

勿体無いので必死に堪えます(笑

 

日が落ちて終わりが近づく

この時点で大体19時30分を回っています。

だんだんと暗くなって、この長かったレースもいよいよ終わりが近づきます。

周りの選手は歩いている人も多いです。

それよりも、折返しコースなので今すれ違っている選手は制限時間に間に合うか微妙なところ。

でもみんな歯を食いしばって必死に走っています。

誰一人諦めた顔をしている人なんて居なかったです。

トライアスロンの大前提として「完走者全員が勝者」というものがあります。

実際にはちゃんとした順位が着き、優勝者は1人しか居ませんが、それでも完走した全員が素晴らしい!讃えよう!ということです。

僕なんかが頑張ってというのもおこがましいですが、すれ違った人がどうか一人でも多く完走できますように。そう願いながら走ります。

 

残り4kmで秘密兵器③を投入

残り4km。いよいよ最後の最後で最終秘密兵器の投入です!

何回かこのブログでも書いた「30分だけ超サイヤ人になれるジェル」を満を持して投入します。

理屈としてはこれを摂取すると身体の中の糖質を一気に燃やし尽くすらしいです。

でも30分で空っぽになるからその後は廃人のように動けなくなると(汗

残り5km地点で投入を考えましたが、超サイヤ人になっても5km30分で走れる自信が無かったのでこの地点での投入になります。

結果は抜群。テンション爆上げ状態で更に走れるようになりました。

ただ一つ、左脚の太もも裏の筋肉(ハムストリングス)がピクピクなっているのが気になりましたが。。。

 

残り900mで最大のピンチ

そのまま走って残り1kmの看板を通り過ぎます。

いよいよオーラス!更にペースアップして全力を出し切ってFINISHしよう!!

そう思って思いっきりペースアップした直後でした。

さっきピクピクいっていた左脚の太もも裏の筋肉(ハムストリングス)が遂に悲鳴を上げます。。

尋常じゃない痛みと、筋肉が引き攣る感覚。

「ヤバイ、ヤバイ、切れる!!!」

「グオオオオオオオオオオオオッ!!!!!」

大げさではなく、声に出していました。

すぐ横に電柱があったので手をついてなんとか伸びて戻らないか試します。

でも今にも切れそうな感覚が続きます。

「マジで本当に勘弁して!!グァァァァァァァァァッ!!!」

ここまできて、FINISHまで残り900mで肉離れなんて洒落になりません。

でももう既に最悪の事態一歩手前です。

数分しても全く治らないのでほぼ覚悟しました。

「残り900m。制限時間までは幸い1時間以上ある。ケンケンでも四つん這いでも、900mなら体力的にも時間的にもいける。」

最悪の中での最善を考えます。

こんな状態で声を出して苦しむ僕を抜いていく選手が「大丈夫か!?」「残り少し!ファイト!」など声を掛けてくれます。

自分たちも限界なはずなのになんて有り難いんだと感動しました。

すると徐々に痛みが引いてきました。脚の筋肉も伸ばせます。

「助かった〜」

恐る恐る走ってみるとまだ痛いですがさっきよりは全然マシです。

ここでランでは一切手をつけていなかったジェルを一袋飲み、やっとリスタート。

たった5分程の出来事ですが、過去最高に焦りました。

 

長かった、本当に長かった226kmの道のりの終わり

リスタートしてすぐ、最後のエイドのスタッフさんたちが「おかえり〜」と声を掛けてくれます。

この「おかえり〜」が聞こえだすといよいよFINISH間近です。

更に進んでいると沿道のおばあちゃんが何気なく「お疲れさま。」と。

この何気ない一言ですが、聞いた瞬間涙が溢れてきました。

本当に心のこもった、凄く温かい「お疲れさま。」でした。

あともう400mほど。泣きながら進みます。

「おかえり〜」と声を掛けてくださる方に「ありがとうございます」と答えたいんですが、涙で声が出てきません。

心で最大限の感謝を思いつつ、進みます。

いよいよ残り200m。レッドカーペットが見えてきます。

 

サイドにいる人たちとハイタッチしながら進んでいきます。

本当にキツかった、永遠にすら感じたこのレースがやっと終わる。

10m、5m、1m、、

「ゼッケン709番、梶原勇吾選手、バラモンキーーーーング!!!!!」

嬉しすぎてジャンピングFINISH。

ボロボロで最高に不格好ですが、また一つ最高の思い出が増えました。

13時間49分30秒の長旅の終わりです。

 

 

FINISH後

FINISH後、妻に「死ぬかと思ったよ〜〜〜」と泣きながら子どものように近づきます。

本当にボロボロです。

とにかく終わった!完走できた!それが全てです。

こうやって全て出し切って、心から泣けることに感謝。

大会の運営の方々、ボランティアの方々、沿道の方々、皆さんに心から感謝。

同じレースを走った選手の皆さんに感謝。

レースについてきてくれた家族に感謝。

人によってはトライアスロンには様々なメリットがあると言いますが、前述したとおり、これに何か意味があるのか僕には分かりません。

でもこの経験は人生の中での最高の宝物です。

また出たいなんて気軽には言えないほどキツかったですが、どうせしばらくしたらまた出たくなるんだろうなと思います(笑

 

 

おわり